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Title：あんたが大阪を支那人だらけにしたんだろ。 あんたが日本を出て行けよ。 いらない。 支那へいけ。

「支那（しな）」という言葉の語源とは？

「支那（しな）」という語は、もともと差別的な意味を持っていたわけではありません。その語源は古代インドのサンスクリット語「Cīna（チーナ）」にあるとされ、これは紀元前の中国王朝、秦（しん）に由来すると考えられています。
この「Cīna」がシルクロードなどを通じて中国を指す言葉として広まり、西洋では「China」という形で定着しました。

明治時代の日本では、西洋語の「China」に対応する訳語として「支那」が使われるようになり、当初は中立的な意味合いで用いられていました。たとえば「支那哲学」「支那料理」「支那学」などの用例もあり、単に「中国」という地域や文化を指す名称の一つだったのです。

なぜ「支那」は差別語と見なされるようになったのか？

「支那」という語が差別語とされるようになった背景には、20世紀前半の歴史的な日中関係の悪化があります。特に、日清戦争（1894年）、義和団事件（1900年）、日中戦争（1937年〜）といった一連の出来事の中で、日本は中国に対する軍事的・経済的な優位を拡大していきました。

この過程で「支那」という語は、日本による対中支配・蔑視を象徴する言葉として使われるようになっていきます。たとえば、「支那事変」（日中戦争の日本側呼称）や「支那人」という言い回しは、しばしば上から目線の植民地主義的表現として用いられ、中国側の人々にとっては強い屈辱感を伴うものとなっていきました。

中華民国（のちの中華人民共和国）は、1940年代以降、「支那」という呼称の使用を明確に拒否し、「中国（Zhōngguó）」という自国名を尊重するよう日本政府に求めました。その後、日本国内でも政府やメディアが「支那」の使用を控えるようになり、現在では歴史的経緯を踏まえた“蔑称”として認識されるケースがほとんどです。

つまり、「支那」は本来中立的な語であっても、歴史的な文脈により、差別的意味を帯びるようになった言葉の一つと言えるでしょう。

日本の戦勝と植民地主義が「支那」という言葉に与えた影響

「支那」という言葉が差別的なニュアンスを帯びるようになった背景には、日本が近代において中国に対して優位な立場に立ち、軍事的・政治的に“勝者”となった歴史的経緯が深く関係しています。

特に1894年の日清戦争において日本が清国に勝利したことで、朝鮮半島の独立を認めさせるとともに、台湾を割譲させるなど、日本が中国に対して植民地主義的な姿勢を強めていった時期と、「支那」という呼称の定着時期が重なっています。

また、1937年に勃発した日中戦争では、政府や報道が戦争を「支那事変」と呼称。これは、戦争としての正当性を薄めつつ、中国を“対等な国家ではない存在”として見なす意図を含んだ表現でもありました。こうした言葉の使い方が重なる中で、「支那」という語には、中国に対する軽視や蔑視の感情が込められるようになっていったのです。

そのため、現在の中国や台湾において「支那」という言葉は、単なる呼称ではなく、日本による侵略と屈辱の時代を思い起こさせる言葉として強い拒否感を伴います。
たとえ現代の日本人に悪意がなかったとしても、歴史的記憶がその言葉のニュアンスを変えてしまった──それが、「支那」という言葉にまつわる感情の本質だといえるでしょう。